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  • 中村弘峰

日本伝統工芸展にて「朝日新聞社賞」を受賞しました

第60回展にて新人賞を受賞して10年。その間入落を繰り返し、伝統工芸展には向いていないかもなどと悩んだ時期もありましたが、とりあえず続けることが肝要と一度も休まず出品し続けたことが自分にとっては良かったのだと思います。
日本伝統工芸展の魅力は陶芸・染織・漆工・金工・木竹工・人形・諸工芸の7部門の作品を同時に審査することです。だからこその難しさと面白さがあり、特に人形は作品に込めた思いの部分にかなりの重心があると思っているのですが、タイトルや作家名、コンセプトテキストなどは隠したまま審査に進みます。そこで大皿や着物と勝負することは色々な矛盾と不思議さを抱えていますが現時点での最良の方法であり、そこで戦うことを選んだ者として皆挑戦しているのです。
そういった審査を勝ち抜いた作品は凄みがあり、日本の伝統工芸の真髄を垣間見せてくれるとともに、毎年「こんな凄い作品達の中で賞取るとか無理だよー!!」と僕を毎年地獄に突き落としてきたのですが、子供の頃から憧れた優秀賞にまで今回届いたということは本当に言葉になりません。
今回の受賞はこれまで温かくも厳しく助言をくださった諸先生方、作品を見てくださるお客様方、ブレずに叱咤し続けてくれた父、応援し続けてくれた家族と、共に励まし、出品してきた先輩や仲間たちのおかげだと心から思います。
これを励みに益々、作品作りに邁進していきたいと思います。今後とも宜しくお願い申し上げます。

中村人形四代目 中村弘峰